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2020.12.23

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インタビュー石川佳純 後編 世界選手権東京大会決勝トーナメントを振り返る (2014年7月号から)

  • 高い集中力で接戦を制した

昭和22年創刊、800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。

 

日本女子が31年ぶりに銀メダルに輝いた、2014年世界選手権東京大会後に行った石川佳純選手(全農)のインタビューをピックアップ。
今回は世界選手権東京大会決勝トーナメントを振り返ります。
*所属・年齢は当時のままです。
*ここに紹介の記事は、本誌記事を一部抜粋、編集しています。
本誌記事ページはこちら!

 

準決勝で勝った瞬間は実感がなく、ベンチの喜んでいる姿を見て「あ、勝った。勝ったんだ」という気持ちだった

 

――世界選手権東京大会決勝トーナメント初戦はオランダ。オーダーを見て、驚きましたか。
石川 驚きました。しかし、私はリー・ジャオ選手(オランダ)と最初に当たると思っていたので、心の準備はしていました。
――3番と5番に出場しました。
石川 2番のリー・ジャオ選手との試合は、反省しなければいけません。
最終ゲーム、7-1で勝っていたのに挽回されてしまいました。負けた原因はたくさんあると思うので、これから同じような試合をしないようにしないといけません。すごく良い勉強になりました。
――5番も接戦になりましたね。
石川 ほとんど負けそうでしたし、あそこまで接戦になった、というのは良いことではないと思います。ただ、今までは、あのような流れでは負けてしまうことが多かったと思います。あそこから踏ん張れて勝つことができたことは、いままでよりも成長できたのかな、と思います。
――中国香港戦を振り返ってください。
石川 言葉で表現するのが難しいのですが、1番で石垣(優香)さんが負けてしまったのですが、流れは良かったと思います。前日のオランダ戦は、石垣さんが勝利をしてくれたおかげだと思っていたので、その良い流れもあったと思います。
――本当に雰囲気が良かったですよね。2番の後、続いての4番は。
石川 2番の試合が終わり、平野(早矢香)さんの0対2の1-6の時に、ベンチに戻ってきました。正直、苦しいかな、と思ったのですが、挽回劇が始まりました。あそこから勝つのが凄いと思いました。次は私の試合だったので、絶対に決めなきゃ、と思って試合に入りました。
2番、4番の2試合とも1対2からの挽回勝ちだったのですが、なぜか自信を持ってプレーすることができていたと思います。
――確かに集中していたと思います。前半はミスが出ると困った顔をして…。途中からガラリと雰囲気が変わったと思います。
石川 わかりますか。オランダ戦の時のような表情ですよね。小さい頃から私のプレーを見てくださっている方には、表情を見ればどういう心理状態かわかる、ってよく言われます(笑)。
――決勝は中国。団体ではロンドンオリンピック以来の対戦。感じた差はありますか。
石川 凄く強いな、という印象を受けました。でも、ロンドンオリンピックよりも、得点になっている部分、良いラリーができている、と実感することができました。男子の合宿に参加しているおかげなのかもしれませんが、強いボールを日頃から受けることができているので、以前よりもスピンのかかった、威力のあるドライブに対しての恐怖心は、なくなったと思います。
――銀メダルを獲得した感想は。
石川 表彰台に上がった時もうれしかったのですが、準決勝に勝った瞬間は凄くうれしかったです。
実はあの時、凄く必死で、自分で勝ったかわからなかったんです(笑)。ベンチの喜んでいる姿を見て、「あ、勝った。勝ったんだ」という気持ちでした。
――今回、良いプレーがたくさんあったと思いますが。
石川 特に、この技術が良くなった、というのは、自分ではないと思います。全体的に良くなっていると思います。最近前陣でも後陣でもプレーできるように練習しているので、プレーの幅は広がったかもしれません。
――男子と練習するようになって良くなった部分は。
石川 相手の強打に対してのブロックは良くなったと思います。あとは、どんなにこちらが強いボールを打っても決まらない。だから、連続して良いボールを、良いコースに打たないといけない、いかに相手にミスをさせるか、という部分を考えるようになったと思います。
打球をしていなくても、自分より強い選手がたくさんいるので、見ているだけでも勉強になります。
――世界選手権が終わり、これからオリンピックに向けての戦いが始まると思いますが。
石川 2月のカタールオープンで、武楊選手(中国)に勝つことができました。凄く自信になりました。
まずはもっともっと練習をして、自分の実力を上げていきたいと思います。そうすれば差はどんどん縮まっていくと思います。
――これからの課題は。
石川 もっとプレーの幅を広げて、いろいろな引き出しを作れるようにしたいと思います。それが試合運びの良さにつながると思います。
今大会、技術面も精神面も良い部分、悪い部分があったので、また練習して良くしていきたいです。

 

 

【世界選手権東京大会 女子団体スコア】
準々決勝
日本 3-2 オランダ
〇平野早矢香 3(7,8,-9,5)1 エーラント
×石川佳純 2(9,-8,-9,7,-10)3 リー・ジャオ
〇石垣優香 3(-8,6,6,9)1 リー・ジェ
×平野早矢香 2(9,-10,-3,4,-7)3 リー・ジャオ
〇石川佳純 3(8,7,-8,-9,6)2 エーラント

 

準決勝
日本 3-1 中国香港
×1石垣優香 0(-13,-10,-2)3 李皓晴
〇2石川佳純 3(-8,8,-6,9,6)2 姜華珺
〇3平野早矢香 3(8,-10,10,2,10)2 呉穎嵐
〇4石川佳純 3(4,-8,-10,9,7)2 李皓晴

 

決勝
日本 0-3 中国
×1石垣優香 1(-5,8,-2,-5)3 丁寧
×2石川佳純 0(-8,-7,-7)3 李暁霞
×3平野早矢香 0(-4,-2,-5)3 劉詩雯