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2020.09.02

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インタビュー森薗政崇 全日本選手権混合複初優勝!(2018年4月号より)

  • 全日本選手権大会混合複で初優勝を飾る

昭和22年創刊、800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。

 

平成29年度全日本選手権大会で伊藤美誠選手と組んだ混合ダブルスで初優勝を飾った森薗政崇選手。シングルスでも初の表彰台に立った。2017年の不調と、如何にしてそれを脱し優勝を掴んだかを語ったインタビューをピックアップ!
*所属・年齢は当時のままです。
*ここに紹介の記事は、**本誌記事を一部抜粋、編集しています。文中敬称略
***本誌記事ページはこちら!

 

 

混合複で全日本選手権大会初優勝!

 

「やるべきことがはっきりした」
左右に素早く動き、身体全身を使って打球。そして何より1球に賭ける姿勢が素晴らしい。
全日本選手権において「得意」と称されるダブルス種目「混合複」で初優勝。2人の強さを目の当たりにした複数の関係者が「次に中国に勝って世界一を獲ることができるのはこの2人だ」と評す。

 

トラウマだった「混合ダブルス」
「混合ダブルスはセオリーがあって、男子選手がパワーを活かして、女子選手が早さで勝負する、と考えています。私は元々パワー選手ではありません。
美誠とペアを組んだのは2015年のアジア選手権。その時はベスト8で、メダルも獲れませんでした。美誠とペアを組んでメダルすら取れない。情けなかったです。
ユニバーシアード競技大会でもミックスで活躍できず、自分の中では2015年のアジア選手権が相当なトラウマで、姉(森薗美咲・日立化成)からも『全日本選手権に出よう』と誘われていたのですが、断り続けていました。
2017年のアジア選手権でもう一度チャンスをいただくことができ、そこで前は何がダメだったかを洗い出しました。
お互いの遠慮だったり、台との距離感の違いがあり、お互いの特徴が生きるように『はやさ』を意識しました。それが上手くいき、中国ペアに勝って準優勝することができた。中国選手に勝てた、そのことがかなり自信になりましたね」

 

オール3-0で初優勝
伊藤美誠選手(スターツSC)と組んだ混合複は3回目。今回の全日本選手権では、競り合いとなるも、オール3-0。結果だけで言うと「完勝」であった。
森薗のチキータレシーブは、どんなサービスにも対応。一発で得点をあげる威力がある。伊藤は相手に攻撃を読ませない多彩なテクニックがある。また2人の打点は異常ともいえるほど早い。対戦相手としてはラリー戦に持ち込んで少しでもペースを乱したいが、それも許さない。
「優勝できたことは素直に喜べます。競り合いながらも最後になんとかできる、たくましいペアに育ったかな、と思います。
ランク決定戦で、それまで実績のある田添健汰・前田美優組(専修大・日本生命)と対戦。負けてしまうとお互いが出場権を失ってしまう(現時点では、登録都道府県が違うため、強化本部推薦でしか出場がありえないため)2人の気持ちを背負ってこれからも戦っていきたいと思います」

 

相手に主導権を握らせない戦いを展開した

 

シングルスでの躍進
ホープス、カデット、全国中学、インターハイ、そして全日本学生で3回優勝。各カテゴリーで結果を出してきた森薗。しかし前回までの全日本選手権ではベスト16が最高の成績。昨年は初戦敗退と相性の良くない大会である。
しかも2017年は森薗にとって不調の年であった。
「初めて混合ダブルスに出場して、身体が動くまで試合ができて、シングルスに臨めたので、落ち着いてプレーできました。
実は不調でしたが、夏のインカレの頃から復調してきたかな、と思います。
チャイナオープン、ジャパンオープンと続き、体力的・精神的に厳しい状態。そこで5日ぐらい休み、用具の微調整を行いました。
練習内容も、アジア選手権で平野美宇選手(JOCエリートアカデミー/大原学園)の練習を参考に、早いタイミングでの切り返し、現実ではありえないタイミングの多球練習など、すごく単純な練習だったのですが、凄く楽しく練習できました。
性格上、悪い時には何をしていいかわからず、練習をやりこんでも、これで正しいのか、こんなことをしていていいのか、と疑心暗鬼になってしまうので、やることが見つかってよかったです。
あと、今考えると、ダメだった理由は私生活だったと思います。考え方と私生活が悪かったら、卓球も良い結果が出るわけありません」と話す。
全日本選手権は、何年かに1回の割合でチャンスが訪れる、と森薗は話す。
「チャンスをモノにできるか、できないか。ここに選手としての『資質』があると思います。3位という結果に満足はしていませんが、上を目指している過程でも、結果に対しては、どこかで満足した方が良いと考えます。今年はここで納得をして、直す部分、良くなる部分を練習していきます」
今の最大の目標は、2020年の東京五輪。森薗は現在日本選手の中で上から8、9番の位置にいる。
「客観的に見たら正直厳しいと思います。でも必要なことがハッキリしているし、目標に向かっていくだけです」と力強く前を向いた。
春からはプロ選手として活動する予定。全てを卓球に捧げ、夢を実現していく。彼の人生が楽しみだ。