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2020.12.18

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インタビュー石川佳純 前編 世界選手権東京大会チャイニーズタイペイ戦を突破(2014年7月号から)

  • 思い切ったプレーでチャイニーズタイペイ戦を突破した

昭和22年創刊、800号を迎えたニッタクニュースのバックナンバーから編集部がピックアップしてお届けするページです。

 

日本女子が31年ぶりに銀メダルに輝いた、2014年世界選手権東京大会後に行った石川佳純選手(全農)のインタビューをピックアップ。世界選手権にどのような思いで臨んだのか、そして予選リーグの山場となったチャイニーズタイペイ戦を振り返ります。
*所属・年齢は当時のままです。
*ここに紹介の記事は、本誌記事を一部抜粋、編集しています。
本誌記事ページはこちら!

 

凄く良い雰囲気でプレーできました。
みんなで助け合った銀メダルです

 

「取材って久々ですね」とコートで集中しているときの鋭い目つきではなく、愛くるしい笑顔で話してきた。
普段は、明るく快活、また可愛らしい笑顔の石川選手。だが、いざ試合になると、たちまちアスリートの表情に一変する。
アスリートは、オンとオフの切り替えが大事になる。
今回の取材で「なぜ石川選手が日本を代表する選手なのか」ということがよくわかった。
弱冠14歳で日本代表デビューを果たし、2014年で21歳になる。世界ランキングは常時トップ10をキープする。
日本女子チームは、12年ロンドンオリンピックで銀メダルを獲得したことから、JA全農世界選手権東京大会でも銀メダル以上の成績が期待された。
そこに突然、ダブルエースの福原愛選手(ANA)の故障欠場が決まる。
関係者の間に福原選手抜きではメダル獲得は厳しい状況との話が広がりはじめた。
石川選手は「福原選手の故障は、驚きました。しかし、そういうときだからこそ今のメンバーで一致団結し、目標に向かう必要があると強く思いました。私の役目はとにかく勝つこと。勝ってチームに貢献することでした」と答えた。
宣言通り、大会では負けが許されないという重圧のかかるなか、チャイニーズタイペイ戦(予選リーグ第4戦目)、準々決勝のオランダ戦、準決勝の中国香港戦でエースとしての役割を十二分に果たし、日本を31年ぶりの銀メダル獲得に導いた。
「試合に出場した私たちだけではなく、会場で応援してくれた方、サポートしてくれた方、全員が本当に団結していたからこそ獲得できた銀メダルだったと思います。みなさんに本当に感謝したいと思います」
「福原不在」という大きなハンデを背負いながらも獲得した銀メダル。
石川選手は、また一歩、大きく成長した。

 

――今回の世界選手権は日本開催。特別な思いは。
石川 日本で行われる世界選手権だったので、活躍できるように頑張りたい、と思って準備をしていました。
その前に行われた世界選手権・横浜大会で、良いパフォーマンスができていたので、日本開催は楽しみでした。
実際、楽しかったですし、この舞台で試合をできることは幸せだな、と思って毎回試合に挑むことができました。
また、連日多くのメディアの方が取り上げてくれていたので、それも嬉しかったです。
――大会直前、福原選手の欠場が決まりました。石川選手にかかるプレッシャーが大きくなったのではないかと思いますが。
石川 正直これまでの世界選手権と違って、プレッシャーを感じていたと思います。
いま試合が終わって振り返ると、大会前は、頑張らなきゃいけないという気持ちだったので、練習も頑張れていて、プレッシャーがあったからこそ良いプレーができたと思います。毎試合終わる度に、自分が感じていたプレッシャーを実感する、という感じでした。
――では普段通りプレーして、団体戦なので、みんなで頑張ろう、という感じだったのですか。
石川 そうだと思います。今大会は、みんなで助け合って勝利した試合が何度もあったと思います。
個人的には、2回出番をもらった時は、2回勝てるように最高の準備をしよう、と思っていました。
――ところで、昨年から、陳莉莉さんがコーチに入りましたね。
石川 技術面、精神面、戦術面、と全てよくなっていると思います。教えていただいた技術を試合で使うことができていると思います。技術の安定があるからこそ、試合運びのよさ、戦術の幅、試合中の精神面の安定に関係してきていると思います。
――全日本選手権で優勝後、2月、3月とプロツアーがありましたが、調子はどうでしたか。
石川 調子は良かったと思います。大会が終わる度に課題が見つかって、その課題を克服するために練習をして、という繰り返しでした。思い通りに調整して本番を迎えられたと思います。
――これまで参加した世界選手権では一番年下。今回、自分より年下の森さくら選手(昇陽高校)がプレーしている時の石川選手の表情が、なんだかうれしそうに感じたのですが。
石川 初めて年下の選手と団体戦に出られて、正直うれしかったです。
初めての世界選手権の団体戦。しかも日本開催。森選手は、もっと緊張するのでは、と思っていたのですが、すごく良いプレーをしていたので、すごいな、と感じました。
――グループリーグの組み合わせを見て、どんな印象を受けましたか。
石川 チャイニーズタイペイ戦が山場になると思っていました。
2番で鄭怡静選手と対戦しました。これまで鄭選手とは五分五分の成績。しかし、前回対戦した時は負けています。
試合は緊張したのですが、相手も緊張しているのがわかりました。ただ、対戦成績が五分五分だったので、勝つこともあるし、負けることもある、勝ち負けを気にせず思い切ってプレーしよう、と思えたので、納得のいくプレーができたと思います。

 

 

【世界選手権東京大会 女子団体スコア】
予選リーグ第4試合
日本 3-0 チャイニーズタイペイ
〇石垣優香 3(9,3,4)0 黄怡樺
〇石川佳純 3(8,-11,9,6)1 鄭怡静
〇平野早矢香 3(-8,1,4,11)1 陳思羽

 

 

後編は12月23日配信!
2014年世界選手権東京大会の決勝トーナメントを振り返ります。