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2020.10.06

#INFO

がんばろう!卓球人!埼玉県で全学年のシングルス大会を開催!「このまま引退はあってはならない!3年生のために大会を!」

  • 体育館入場時に非接触型体温計でチェック

  • 4m間隔で卓球台を設置して感染予防対策

  • 大会終了後には松平賢二選手(協和キリン)の講習会が行われた

新型コロナウイルスの影響により、大会の中止や延期を余儀なくされたが、徐々に再開のニュースが届きはじめている。

様々な困難の中、参加者の想いを大切に、開催にこぎつけた「令和2年度埼玉県学校総合体育大会(夏季大会)」。実現推進に奔走した埼玉県高等学校体育連盟卓球専門部委員長の新井誠喜夫先生にお話を伺った。

※取材日は、8月19日

 

令和2年度埼玉県学校総合体育大会(夏季大会)

8月3~6日 深谷ビッグタートル(深谷市総合体育館)

主催:埼玉県学校体育協会

主管:埼玉県高等学校体育連盟

 

新井誠喜夫(あらい まきお)

埼玉県高等学校体育連盟卓球専門部委員長

県立深谷商業高等学校教員

 

このまま引退はあってはならない!3年生のために大会を!

「4月下旬にインターハイの中止が決定しましたが、その時点で3年生がこのまま部活を引退したり、卒業をしたりすることはあってはならないだろうと考えました。どういう形であっても構わないので、3年生のための大会を開いてあげたいという思いが一番強くありました。

そこで、役員の先生と会議を重ね、シングルスであれば全学年の大会を開催できるだろうと、今大会に至りました。

会場の確保にはとても苦労しました。当初、8月4~7日に上尾運動公園体育館が確保できたのですが、空調設備の面で再度探すこととなりました。他の体育館に連絡をとったところ、昨年に関東大会を行った深谷ビッグタートルが空いているということでした。と言うのも、市内の行事が時節柄、キャンセルになったということでした。ただ、市民体育館なので、市の行事が入ったらそちらを優先させるという条件付きでしたが、運よく入りませんでした。

 

三密を避けるべく参加制限を設けて4日間開催

参加数については、事前に調査を行ったところ、男子が1500人、女子が500人でした。しかし、この人数だと運営は厳しいですし、体育館側からもフロアに入れる人数は150人まで、観客席は1500席の半分と決められていたので、参加制限を設けることにしました。主旨として『3年生のため』が大前提にあったので、3年生は無制限、1・2年生は過去の実績を参考にしたり、1校の人数を制限しました。結果、男子が730名、女子が380名になりました。

卓球台は4m間隔で、30台配置。プレーヤーが60人、審判員が30人、役員を含めても制限の150人はクリアできました。そして、男子は8ブロックに分け、初日はA・Bを8時半集合、C・Dを12時集合とし、密を避ける対策をとりました。

本来であれば、保護者にも選手の勇姿を見届けていただきたかったのですが、県高体連から無観客での実施指示があったので、断念しました。

試合は日本卓球協会のガイドラインを徹底。チェンジエンド、握手、ラケット交換、ベンチコーチは全てNG。試合後は、選手自身が自分側の卓球台をペーパータオルで掃除し、勝者がボールを持って本部へ勝敗の報告をし、役員でボールの消毒をしました。審判カウンターは審判員が1試合ごとに1枚ずつ丁寧に除菌するようにしました。

入場の際は、高体連から提供いただいた非接触型の体温計で計測し、出入り口には消毒液を常備し、消毒を徹底するよう促しました。

 

『大会ができることを信じてがんばります!』多くの3年生の参加に感無量

コロナ禍後、県内での卓球大会は今回が初めてということで、『失敗は許されない』と、プレッシャーも大きかったです。県卓球協会とは、事前に感染対策について打ち合わせも行い、『これでもか!というくらい厳しく対策してほしい』と言われていました。当日は、中体連やカデット部、ホープス部、市卓球協会など、様々なカテゴリーから視察に来られていました。

前述の通りプレッシャーもありましたが、生徒のプレー姿を見ることができ、やってよかったと思いました。8月なので、本来であればほとんどの選手が引退をしている時期ではありますが、3年生の参加が多かったです。

インターハイの中止決定直後、埼玉県高体連のホームページに『卓球部員の皆さんへ』とメッセージを掲載しました。それを見た他校の生徒から『大会があることを信じて、引退しないで頑張ります』と連絡をもらいました。みんなが待っていてくれたことが本当に嬉しかったですね。

今回、ブロックで分けたため、開会式を6回しました。そのたびに『おかえりなさい』と挨拶をさせていただきました。大会ができることは、とてもいいことだけれど、大手を振って喜んでいい状況でもない。この大会の一番大切なことは『安心・安全でなければならないこと』と伝えましたが、なにより、あのような形で生徒と顧問の先生に再会できたことが、とてもよかったです」

 

事前に配布した感染予防策の注意点

当日に配布した感染予防策の注意点

 

 

【大会結果】

▼男子シングルス①松尾威吹(埼玉栄)②狩野耕助(同)③羽賀琉晴(同)③杉山勝大(同)

 

男子シングルス入賞者

 

▼女子シングルス①矢島采愛(正智深谷)②永野萌衣(同)③吉岡桜子(同)③楡原愛莉(秋草学園)

 

女子シングルス入賞者