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2024.02.21

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「一台だけの舞台でできるのが嬉しかった」伊藤礼博(日本大)全日本選手権男子複優勝インタビュー 前編

 

2024年全日本選手権大会(以下、全日本)、男子ダブルスで優勝を果たしたのは、日本大学の小林広夢・伊藤礼博(日本大)ペア。昨年敗北を喫した及川瑞基・松島輝空(木下グループ・木下アカデミー)を準決勝でくだすと、決勝では前回王者の張本智和・森薗政崇(智和企画・BOBSON)に勝利し、初優勝を果たした。

個人戦、団体戦を通じて、全国大会での優勝は初という伊藤礼博のインタビューを2回にわたって掲載する。

 

――1週間ほど経って今のお気持ちはいかがでしょうか?

やっと実感が出てきました。いろいろな方からお祝いメッセージをいただいて、本当に優勝したんだなって。準決勝からは僕以外全員Tリーガーというすごいメンバーだったので、本当に優勝できるとは思っていませんでした。

 

――初戦となった4回戦から振り返っていこうと思います。初戦の入りはどうでしたか?

まずベスト8を目指すうえで勝負となるのは、村松(雄斗/鹿児島県スポーツ協会)さん、町(飛鳥/ファースト)さんのカット・攻撃ペアだと思っていたので、対策はしっかりと練っていました。

結局このペアは棄権して、石黒(翼)さん・吉田(俊暢/ともに関西卓球アカデミー)さんペアと対戦したのですが、同じくカットと攻撃のペア。広夢さんにも「同じようにやればいいんじゃない」と言われて、良い感じにプレーできました。

初戦だからという緊張はあまりなかったですね。

 

――続いて5回戦では、カットペア(木村飛翔・白山 遼/駒澤大)に1ゲームを奪われました。

このペアとは全日本大学総合選手権・個人の部(以下、全日学)でも当たっていて、その時はツッツキで粘る作戦でした。同じようにやれば大丈夫と思っていたのですが、前回よりも相手の攻撃が冴えていて、こちらも焦って打ちに行ってしまいました。

3ゲーム目から初心に戻ってツッツキに徹したら、逆に相手が焦り始めて逆転できました。ついつい僕が打ってしまうので、全日学の時も広夢さんに怒られながらツッツキをしていたんです(笑)。

今回は本当に危なかったです。

 

――準々決勝は、実業団の強豪ペア(松下海輝・藤村友也/日鉄物流ブレイザーズ)との対戦。

1ゲーム目は僕の台上処理が上手くいかず、浮いた球は打てないし、自分の返球は浮いて相手に打たれてという展開が多かったです。2ゲーム目からは、まずは入れようという考えにしたところ、ラリー戦につなげることができました。

3・4ゲーム目はゾーンに入っていて、ラリーで打ち負けなくなって勝つことができました。2ゲーム目に切り替えられたのが大きかったです。

 

 

――準決勝は、昨年負けている及川・松島ペア。今回はどんなプランで臨んだのでしょうか?

松島選手のチキータがすごいので、それを封じるために下回転の切れたサービスのみを出すようにしました。戦術としては、そこが1番の要でしたね。

しかし、2・3ゲーム目はサービスを切っても松島選手に思いきり打たれて、僕たちもしょうがないという感じでした。

 

――そこからどうやって逆転できたのですか?

相手が勝ちを意識したのか、「思いきりいってミスしたらもったいない」という気持ちがあったのではないかなと思います。僕たちも気持ちで押せているという感触があって、4ゲーム目を奪取。最終ゲームも前半から飛ばして5-1でリードでき、さすがにあの強いチキータは来ないし、来たとしても入らないのではと思っていました。最後はネットインなど運もあって逃げ切ることができました。

 

――決勝進出が決まった時はどんな気持ちでしたか?

決勝という、あの一台だけの舞台でできるということが嬉しかったですし、テレビで放送されると聞いていたので、すぐに友人に「出るから見て」と(笑)。

まずは試合を楽しみたいという気持ち。ただ、決勝まで来たのだから、絶対優勝したいとも思ったので、頑張りつつも楽しもうという感じでした。