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2024.02.19

#RESULTS

【世界卓球】エース張本智和のプライド。「林昀儒選手以外に絶対に負けてはいけない」

  • 気迫あふれるプレーでチームを引っ張った張本智和

  • 試合後、チームメイトの田中佑汰と喜びを分かち合った

日本男子にとって第1ステージで最大の難関だった、昨日のチャイニーズタイペイ戦。3番で大ベテラン・荘智淵にゲームオール11ー9で競り勝った16歳・松島輝空の活躍が光ったが、なんといっても勝利の立役者は張本智和だろう。トップで高承睿をストレートで破り、4番で林昀儒とのエース対決をゲームオールで制し、2勝を挙げてチームを勝利に導いた。

 

4番で林昀儒とのエース対決を制した張本智和

 

試合の流れを決めるトップに出場する心構えとして、「1番で負けるのは論外だと思っていた」と試合後に張本は語った。「もし負けたら0ー3、良くても1ー3でチームが負けてしまう。ぼくの相手(高承睿)は強かったですけど、強かろうが弱かろうが、ぼくは林昀儒選手以外には絶対に負けてはいけないと思っていた」(張本)。必勝を期したエースのプライドが、2ゲーム目のジュースの連続を取り切る原動力になった。

 

その2ゲーム目、ジュースが続いた場面で張本は4回のゲームポイントを取られている。以前の張本は、競り合った場面で攻撃の意識が強くなり、プレーが不安定になることがあった。しかし、このチャイニーズタイペイ戦では、台上のストップ対ストップの展開でもじっくりと相手の出方を待ち、フリックを待ち受けてカウンターしたり、逆に低くナックル性のフリックを送って次球を狙うなど、終始冷静なプレーを披露した。

 

「数年前より、ジュースの時でも落ち着いて戦えるようになったと思います。逆に自分がリードしても決めきれない気持ちや、1点取り切る難しさも知っている。自分が間違いを犯さなければ、相手はミスが出てくるし、たまにはトリッキーな奇襲も仕掛けていく。そのバランスが今日は良かったですけど、昨日はジュースで取られたゲームもありました。ジュースは全部取れるものではないですけど、できるだけ多く取れるようにと思っています」(張本)

 

奮闘する張本に声援を送る日本男子ベンチ

 

4番での林昀儒戦の勝利については、「勝てたのは大きいことですし、自信はとてもつきましたけど、まだ予選ですから。そんなに喜びすぎる必要もない」と淡々と語った。「今日勝って林選手と互角なのかと言うと、ぼくはまだ自分のほうが下だと思っている。もっともっと向かっていきたいです」(張本)。

 

チャレンジャー・スピリットを失わない日本男子のエース。前回の成都大会では中国戦で王楚欽と樊振東を連破し、卓球界に旋風を巻き起こした。今大会はそれ以上の「ビッグ・インパクト」に期待したいところだ。