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2021.08.05

#RESULTS

東京2020五輪 日本男子、接戦の末に難敵ドイツに敗れる。韓国との3決へ

東京2020オリンピック、男子団体準決勝は2大会連続で日本とドイツが対戦。

日本はオーダーを初戦に戻し、トップは水谷隼/丹羽孝希のサウスポーペアで臨んだ。

序盤、ボル/フランチスカは、日本ペアのバックにボールを集め、空いたフォアへ強打を送るプレーで優位に立ち、2ゲーム連取。暗雲が立ち込めたが、ここから水谷が強気のプレーを見せる。混合複決勝を思わせる積極的な攻撃で、相手の攻撃に対してもブロックではなくカウンターで圧倒する。フルゲームまで持ち込み、なんとか先取点をあげたい日本ペアだったが、ドイツペアの攻撃が気持ちよく決まり、5-1とリードを許す。ここから追い上げて5-5とするも、最後はまた突き放されて先制を許す。

 

2番は張本智和と今大会男子単銅メダリストのオフチャロフ。出足から両者の好プレーが連発。張本の思い切りのいい攻撃に対して、オフチャロフもそれを上回る速さで対応。オフチャロフが1ゲームを先取し、第2ゲームもオフチャロフの両ハンド攻撃がさく裂する。6-1とリードされた張本だったが、YGサービス、フォアサイドから思い切ったチキータをストレートに決めると流れが一気に傾く。終盤に追いつくと、互いにサービスエースで得点を重ねて13-11で張本が取り返す。完全にペースを握った張本の両ハンドドライブは勢いをさらに増し、第3・4ゲームも当たれば入るほどの攻撃力で銅メダリストを圧倒。3対1で勝利し、日本が再び並ぶ。

 

フォアサイドを切る鋭いバックドライブ、豪快なフォームから繰り出すフォアドライブがさく裂した張本。徐々に調子を上げ、最高の舞台で爆発した

 

3番は、両チームの重鎮とも言える水谷とボルの対戦が実現。互いに台上からの展開で、先手を取って攻撃を仕掛けた水谷が第1ゲームを先取する。第2ゲーム、ボルは水谷に攻撃をさせてからラリーに持ち込み、水谷のミスを誘う展開。水谷は積極的に攻撃を仕掛けながらも、なかなか得点につなげられない。ボルは巧みにコースを突き、チャンスがあらばしっかりと仕留めるプレーで主導権を握る。試合巧者の戦いは、ベテラン40歳のボルに軍配。

 

落ち着いた試合運びだったボル。コース取り、ボールタッチに優れとにかくミスが少なかった

 

第1ゲームを先取するも、なかなか自分の展開に持ち込むことができなかった水谷。「1点取れず申し訳ない」と肩を落とした

 

ドイツが王手をかけた4番。ランキングでは格下のフランチスカだが、威力のある両ハンドドライブには定評があり爆発力もある。張本はやや消極的になり、フランチスカの豪打に後手に回ってしまう。あっという間に2ゲームを連取される苦しい展開となったが、第3ゲームはフランチスカのフォア前にストップを集めた戦術が功を奏し、張本が取り返す。

第4ゲームも徹底的にフォア前にボールを集めて連取すると、第5ゲーム前半も張本が6-2とリード。しかし、ここからフランチスカの豪打が再び火を噴き6-6と追いつかれる。さらに7-9とリードを許し張本は窮地に立たされたが、フォア前からの戦術を徹底し、逆転に成功すると最後は張本のバックドライブをフランチスカが打ちあぐんで勝利。

2対2のタイに持ち込んだ。

 

出足の元気のない張本にヒヤリとしたが、徐々にギアを上げて見事逆転勝利を収めた。これぞエース!

 

大きな体躯から放つ両ハンドドライブの威力は抜群。台上からの展開で苦しめられた

 

ラストの丹羽は、男子単で敗れたオフチャロフと再戦。オフチャロフの連続攻撃に対し、丹羽らしい前陣でのカウンターが随所で決まるが、オフチャロフのサービスからの展開になると勝機を見出せない。

各ゲーム競り合いながらも、ここぞの場面でオフチャロフの決定率の高い攻撃が光り、最後はオフチャロフのバックドライブがエッジで入り、3対0でオフチャロフが勝利。

ドイツは3大会連続のメダルが確定。日本は中国に3対0で敗れた韓国との3位決定戦でメダルを争う。

 

ここぞの場面でミスが少なく、強気なプレーを見せたオフチャロフ。ドイツを決勝へ導いた

 

バックサイドからクロスへのフォアドライブは、コースも際どく決定率も高かったが、惜しくも及ばなかった

 

3大会連続のメダルが確定したドイツ。初優勝に向けて中国との決勝に挑む

 

女子団体は、中国がドイツに3対0で圧勝。今大会、混合複・女子単と悔しい試合が続いたP.ゾルヤが陳夢から先取点をあげるなど、好ゲームを展開したが及ばなかった。

 

【男子団体】

準決勝

中国 3-0 韓国

○1 許昕/馬龍 3(5,5,8)0 鄭栄植/李尚洙

○2 樊振東 3(7,9,14)0 張禹珍

○3 馬龍 3(9,8,-9,-13,6)2 李尚洙

ドイツ 3-2 日本

○1 フランチスカ/ボル 3(2,3,-9,-8,7)2 丹羽孝希/水谷隼

●2 オフチャロフ 1(7,-11,-5,-9)3 張本智和

○3 ボル 3(-7,11,7,7)1 水谷隼

●4 フランチスカ 2(5,9,-5,-9,-9)3 張本智和

○5 オフチャロフ 3(9,7,8)0 丹羽孝希

 

【女子団体】

準決勝

中国 3-0 ドイツ

○1 王曼昱/陳夢 3(9,2,4)0 シャン・シャオナ/P.ゾルヤ

○2 孫頴莎 3(6,4,9)0 ハン・イン

○3 陳夢 3(-5,4,9,11)1 P.ゾルヤ