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2020.11.20

#INFO

がんばろう!卓球人!千葉県で高校の代替大会を開催!「不条理に打ち勝つエネルギーを持ってほしい」

  • 石川佳純選手から届いた色紙

  • 開会式では密を避けながら整列

  • 卓球台は間隔を空けて設置。感染予防策に注意しながら精一杯プレー

新型コロナウイルスの影響により、大会の中止や延期を余儀なくされたが、再開のニュースが届きはじめている。

様々な困難の中、参加者の想いを大切に、開催にこぎつけた「第30回千葉県高等学校ランク別大会兼令和2年度高校3年生代替大会」と「高校3年生大会(特別試合)」。実現推進に奔走した千葉県高等学校体育連盟卓球専門部委員長の真田信弘先生にお話を伺った。

※取材日は、9月1日

 

第30回千葉県高等学校ランク別大会兼令和2年度高校3年生代替大会

8月4~6日 東金アリーナ

主催:千葉県卓球連盟

後援:千葉県教育委員会/千葉県高等学校体育連盟

 

真田信弘(さなだ のぶひろ)

千葉県高等学校体育連盟卓球専門部委員長

千葉県立千葉東高等学校教諭

 

全国選抜が中止。開催県として深いショックを受けた。その想いを胸に開催

「本来であれば、3月に全国高校選抜大会の開催県として全国からお招きする予定で、様々な想いを胸に準備が完了しつつある中で、中止が決定しました。深いショックではありましたが、それ以上に全国出場が決まっていた選手や監督さんたちの悲しみは計り知れないものであると思いました。

 その後、県から次々と出される通達は、開催の中止や自粛、見合わせというものばかり。しかし、どうにかその悲しみを取り払う活動ができないか考えていたところ、段階別緩和策が出るようになり、8月には大きなイベントの開催が可能になるとのことでしたので、『これはできる!』とすぐに動きました。まずは、会場の確保ということで千葉ポートアリーナを押さえました。当初は、とにかく3年生のシングルス大会をやろうと動きました。学校対抗でもよかったのですが、8月になると受験モードに切り替わる学校もあるため、全員で団体に出るのは厳しいということ、ベンチに入れない選手がいるという懸念があったからです。シングルスであれば、想いのある生徒はみんな出ることができます。しかし、休校によって夏休みが短縮されたこと、昨今の部活動ガイドラインにより、閉庁日があることから、シングルスの代替大会では国からの補助を受けることができなくなり、少人数規模での開催となるため、結果的に例年開催している千葉県ランク別大会(団体戦)に3年生も交えて行うことになりました。ランク別というのは、例年であればインターハイ予選の成績を基に決めていますが、今回に限り前回の新人大会を参考にすることを急遽考え、国からの補助もいただき開催にこぎつけました。

 その後、国からの補助は受けられませんが、3年生のみのシングルス特別大会を開催しました。

 

生徒も感染予防策に積極的に協力。下級生が3年生を送り出す場となれた

 感染予防策については、JTTAのガイドラインに基づきながら、会場となる体育館と話し合って、万全の予防策で実施しました。参加は約800名だったため、観客席は2席を空けて使用。また、密を避けるため、午前と午後の部の入れ替え制を導入しました。

 そのような異例の中でも、生徒たちは本当によく守ってくれました。生徒の中には、当然ながらプレー中に思わず声が出てしまうこともあります。しかし、その際も直後に「いけない!」と自分を戒めるような仕草や仲間が注意する姿を見て、理解してしっかり行動しているのだと感じましたし、プレーする姿を見ていて、『試合っていいものだな』と再認識すると同時に部活動のすばらしさを感じました。というのも、卒業となる3年生が下級生からの拍手を受けてやり遂げたという感覚を持ったと感じたからです。通常であれば、インターハイに出場するような学校は夏までの活動が当たり前、大学でも卓球を続ける生徒は卒業までが当たり前ですが、実際はほとんどの学校が県予選で終わります。その県予選は6月半ばくらいまで。今年は4・5月が休校となり、千葉県は6月半ばから部活動が再開したため、部員で一緒に過ごした時間がほとんどないのです。しかし、大会を設けたことで少しでもそのような機会を得られ、特に一緒に過ごした2年生にとっては、3年生を送り出せたということに意味があったと思います。

 

不条理に打ち勝つエネルギーを培う

 この異常ともいえるコロナ禍に見舞われた生徒の皆さんには、どうかこれがマイナスなことばかりでなく、不条理に打ち勝つ、解決していくエネルギーを培うものだと捉えてほしいです。昨今の教育界では、不条理さ=悪いものという風潮があります。当然、行き過ぎはよくないが、我々もサポートしながら、高校生がこの不条理をどう乗り越えていくのか、そのためのエネルギーを持つことが大事なのではないかと思います。

 大会後、私の生徒からは『けじめがつけられた。やり切れました』という声が届きました。進学校なので、保護者が心配しているのではないかと思いましたが、『不条理に打ち勝ってチャンスをものすること』を後押ししてくれる保護者ばかりで、『最後までよく頑張ったね、やり切ったね』と励ましてくれたということでした。

 また、運営側としても大きな経験を得られ、3年生大会ではさらに合理的かつ予防策を意識した運営ができるようになりました。その後に行われた全日本ジュニア予選では、男女合わせて1000名を超える参加となりましたが、経験を生かしてスムーズな運営ができました」

 

 

【大会結果】

第30回千葉県高等学校ランク別大会兼令和2年度高校3年生代替大会

▼男子学校対抗

準決勝

千葉経大附 3-1 千葉商大付

拓大紅陵 3-1 幕張総合

決勝

千葉経大附 3-0拓大紅陵

 

男子優勝 千葉経大附

 

▼女子学校対抗

準決勝

千葉経大附 3-0 幕張総合

和洋国府台 3-0 千葉商大付

決勝

和洋国府台 3-1 千葉経大附

 

女子優勝 和洋国府台