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2023.05.28

#RESULTS

2023ITTF世界卓球選手権ダーバン大会 早田ひな、は女子単で銅メダルを獲得

  • 実力を十二分に発揮した早田ひな

  • 世界ランキング1位の実力をみせた孫穎莎

2023世界選手権南ダーバン大会。

女子シングルス準決勝で早田ひなと孫穎莎(中国)が対戦した。

早田は前日に世界ランキング3位の王芸迪(中国)に勝利しており、どんな試合となるか楽しみの一戦となった。

迎えた第1ゲーム。孫の打点の早い攻撃、特に早田のフォアサイドを切るバックハンドドライブが何度も決まる。前日の王との試合をしっかり分析して試合に臨んでいるのがわかる。結果このまま試合は孫のペースで進み、孫が1ゲーム目を先取する。

なんとか流れを変えたい早田であるが、2ゲーム目以降も孫の両ハンドドライブ、打点の早い攻撃が止まらない。早田は前日に得点をあげたバックハンドの展開に持ち込みたいが、孫が左右にドライブを打ち分ける、孫が3-0と王手をかける。

後がなくなった早田。ここから思い切った攻撃を仕掛ける。すると4ゲーム目は早田がリードする展開となりこのゲームを取る。しかし5ゲーム目はギアを入れ替えた孫の攻撃が冴える。早田もなんとか喰らいつき接戦に持ち込むものの、孫の攻撃が上回り、孫が4-1で勝利し決勝へ進出した。早田は女子シングルスは銅メダルという結果で終わった。

 

▲前日の試合をしっかり分析して試合に臨んだ孫穎莎

 

▲気持ちの入ったプレーを見せた早田ひな

 

▲「私と早田選手は同世代の選手。ここ数年で力をつけている選手で結果も出しています。とてもタフな試合になると思っていたのでしっかり準備をしてきました。まずは自分の力をしっかり発揮できるように準備しました。勝ててよかったです」と孫穎莎

 

今でも私は忘れられないこと出来事がある。2017年デュッセルドルフ大会。私はある中国卓球関係者が解説をしながら、大会を観戦する機会をいただけた。

その時、その方は「これからは早田が強くなる」と断言した。

早田?本当ですか?と私は耳を疑い、再度質問をした。

「ああ。早田が強くなるはずだ。あの身長、そして威力のあるドライブ。これは脅威である。しかし条件がある。体が細い。もっと体が出来てきたら、強打に磨きがかかるはず。」と。

それから6年。早田は南アフリカ・ダーバンの地で、ベスト4という結果を出した。しかしベスト4という結果は彼女にとっては「経験」であり、現時点では良い結果ではあるが、最終目標の結果ではないはず。

孫穎莎との試合を終えて、ベンチに戻ってくる時、早田はかすかに笑ったのを見逃さなかった。きっとこの笑顔は、充実した内容、普段味あわえない経験をできた『充実感』に対する笑顔だろう。来年の夏。この笑顔が最終目標の笑顔であることを願う。

 

▲課題が見つかり喜んだのか、かすかに笑顔を見せた早田