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2018.05.08

#RESULTS

日本選手団が帰国。銀メダル獲得の女子代表が記者会見

銀メダルを獲得した日本女子代表(馬場美香監督、石川佳純、平野美宇、伊藤美誠、早田ひな、長﨑美柚の各選手)の記者会見が行われ、帰国後改めて世界選手権を振り返った。

 

――大会を振り返って。
馬場監督 準決勝までの戦いは非常に満足しています。ただ、目標の打倒中国を達成できなかったので、次の機会に中国を目指したいと考えています。
石川 現地やテレビを通してたくさんの方に応援していただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。卓球をたくさん観ていただけてうれしい気持ちもあります。始めてキャプテンを任されて、不安もありましたが、一戦一戦チームワークよくみんなで戦えました。個人的には決勝の結果は悔しいのですが、次にリベンジできるように、改めて頑張ろうと思えました。この大会を通してすごく成長することができました。
平野 いろいろなことがあった世界選手権でしたが、たくさんの方のサポートや応援のおかげで銀メダルを獲得できてよかったなという気持ちと、やはり金メダルを目指していたので、決勝で自分も落としてしまい負けてしまったので、反省と課題が残る世界選手権だったと思います
伊藤 連日夜遅くまで応援していただいたおかげで、銀メダルを獲得することができました。ものすごく成長できた大会でもあり、すごく悔しかった大会でもあります。次は日本チームが一丸となって金メダルが獲れるように、打倒中国を目指して頑張っていきたいです。
早田 事前合宿からたくさんのスタッフの方にサポートしていただいたおかげで獲れた銀メダルだと思います。決勝では中国に負けてしまいましたが、すごく勉強になることがあったので、それを生かしてまた頑張りたいと思います。
長﨑 たくさんの方からの応援があって、銀メダルを獲ることができました。私は試合に出場しませんでしたが、この5人の中に入れたことによって、世界を肌で感じることができ、今後につながるとてもいい経験をさせていただきました。

 

――一番思い出に残っている試合を教えてください。
馬場監督 たくさんあるのですが、その中でも準決勝2番の石川対キム・ソンイ選手戦は非常に大激戦で、何度もエッジやネットで石川がくじけそうになったのですが、そこを乗り越えて勝利してくれたことがすごくうれしかったです。
さらに、打倒中国を目指して戦ってきたので、決勝1番で伊藤が劉詩雯選手に勝利してくれたこともうれしかったです。
石川 準決勝でキム・ソンイ選手と戦った試合が思い出に残っています。すごく苦しい展開でしたが、リオ五輪で負けていたのでリベンジしたいという思いと、いろいろなハプニングがあっての準決勝となって、自分自身もチームとしても必ず負けられないという気持ちの中で勝てたことは、すごく大きな自信にもなりました。チームワークで勝った勝利だなと思っています。
平野 私も準決勝の試合がすごく印象に残っていて、相手のチームがさらに強くなって対戦となったので、3番の選手も誰が来るかわからないと直前まで思っていました。やはり3番で終わらせなければという気持ちもある中で、しっかり勝てたので、それが一番印象に残っています。
伊藤 私は劉詩雯選手と対戦した時です。中国人選手を相手に最終ゲーム1-5から挽回勝ちできたことはすごく自信になりました。我慢強さと実力がレベルアップしたということを確信できたので、ものすごく自信になった試合でした」
早田 私はベンチからの応援が多かったのですが、その中でも準決勝の石川さんとキム・ソンイ選手の試合は、手が震えそうで冷たくなってしまうくらい緊張していて、観ている方が心臓がつぶれそうなくらいでした。戦っている石川さんはきっとそれよりも緊張していて、ネットやエッジで運もついていない中、最終ゲームの12-12のときにシーンとなったところで、私が「何か声をかけてあげられたら」と「石川さん、大丈夫です!」と言ったときにしっかり頷いてくれて、そこから2点取って勝つことができたので、応援も力になれたかなと思いました。
長﨑 私も石川さんの試合です。アンラッキーポイントがたくさん続いてしまって、自分だったら心が折れそうになっていたと思いますが、石川さんは経験値や技術力も高いので、そういったところを見習っていきたいと思いましたし、すごいなと思いました。

 

――石川選手の話が多く出ましたが、今大会キャプテンとしていろいろな重圧もあったと思いますが、いかがでしょうか。
石川 初めてチームのキャプテンという大役を務めさせていただいて、大会前は自分にできるのかなと不安も大きかったです。団体戦はチームワークがすごく大事だと思っていたのですが、選手たちがたくさん協力してくれました。年齢も離れているのですが、合宿の時から仲良く和気あいあいとみんなも接してくれて、いい雰囲気のなかでできました。特に試合に出ていない選手が本当に一生懸命応援してくれました。決勝では美誠ちゃんが勝ってくれて、すごくうれしくて、それに続きたいという気持ちがありました。次はもっともっと強くなってリベンジするんだという気持ちをさらに強くした今大会でした。

 

――平野選手、伊藤選手、早田選手、長﨑選手に。石川キャプテンはどんなキャプテンでしたか?
平野 私たちは年齢も離れているし、高校生なので大変な迷惑をかけることもあったと思いますし、申し訳ないなと思います。キャプテンとして、卓球のプレーでも引っ張っていただいて、まとめてくださいました。試合の時も石川さんがいるから自分も自信を持ってプレーできることも多く、いろいろな面で感謝しています。
伊藤 私は試合で1番に出させていただくことが多かったのですが、次は石川さんだから自信持ってできて、心の支えになっていました。私生活でも卓球でも引っぱってくださって、大変だったと思いますが、石川さんだからついていけたのだと思います。ありがとうございました。
早田 事前合宿から大会までいろいろ大変だったと思います。一言でいうと、かっこよすぎるキャプテンだなと感じました。キム・ソンイ選手に最後勝ったというのは、キャプテンとしてもすごいことだなと思いますし、卓球だけでなく普段から気を配っていただいて、自分たちもすごく成長することができました。私がいつかキャプテンになる時がきたら、石川さんみたいなかっこいい選手になりたいと思いました。
長﨑 私は今回初めてでわからないことが多かったのですが、一つひとつ教えてくださったり、「こうした方がいいよ」とアドバイスもくださって、やりやすかったです。また、写真撮影のときに、試合に出ていなかった私に「応援がんばったから前に行っていいよ」と気遣いもしてくださって、私もそういう選手になりたいと思いました。

 

――今の後輩からの言葉を聞いて、石川選手はいかがですか。
石川 本当にもったいないお言葉をたくさんもらって、ありがたいです。この4人のおかげで私も楽しくプレーさせてもらって、この5人で戦えたからこそのチームワークだと思いますので、一人ひとり感謝の気持ちでいっぱいです。

 

――今後中国を倒すために必要なことは。
馬場 各選手それぞれに課題が見つかりました。それを選手と相談しながら強化をして打倒中国を目指したいです。また、集合合宿を多く行って、どうやったら中国に勝てるかを見つけて強化していきたいです。東京五輪では、プレッシャーもかかると思います。その中で勝つには、人間的に大きく成長した方がいいと思いますので、そういった強化をして選手をバックアップしていきたいです。
石川 決勝のプレーは残念な内容だったので、悔しい気持ちもすごくあります。最近のワールドツアーで勝てるようになってきて、自信もついてきた中だったので、残念な気持ちも大きいですが、まだまだ力不足だということを感じたので、今年はトップ3に勝つことを目標に頑張っていきたいです
平野 プレー自体はそこまで悪くなかったのに負けてしまったので、実力が足りないなと思いましたし、負け方も前と変わっていませんでした。来年の世界選手権に出場できたら、それまでに勝ってもたまたまと思われないような選手になりたいです。
伊藤 最近の大会でずっと中国人選手に負けていた中で、劉詩雯選手に勝てたことはすごく自信になりました。どんな選手にも隙を見せない、誰にでも勝てるようにしていきたいので、もっと実力を上げて、中国選手に何度でも勝てるようにしたいです
早田 中国戦はベンチからの応援でしたが、メンタルやパワー、体の筋肉のつけ方も、まだ自分は届かないと思いました。特に優勝のプレッシャーがかかっている中での気迫のプレーは忘れられなくて、それができるからこそ、どの選手にも何回試合しても負けないのだと思ったので、そういったことを普段の練習から試合に近づけられるように、また試合ではいつもの練習通りを心掛けていきたいと思いました。
長﨑 中国人選手は一つひとつの技術が繊細で、作戦の切り替えも早く、心が一番強いと思います。そういったことを見つめなおして強化していけば、少しずつ勝てるようになるではないかと思います。

 

――東京五輪を見据えてどんな大会になったかということと、どういう過ごしていきたいか、決意を教えてください。
馬場監督 世界選手権団体戦では監督として初めての経験でした。オーダーを考えたり、選手の様子を見ながら、どのように起用するかというのを大会前から考えていました。大会中もそういったことが、とても勉強になりましたし、よい経験となりました。東京五輪に向けて、非常に重要だったと思います。東京五輪まで2年と少しですが、中国と比較して何が足りないのかというのを、じっくり考えながら強化していきたいです。東京五輪では追いつくだけでなく、追い越せるようにしたいと思いました。
石川 前より成長を感じられた部分もあれば、力不足と感じた部分もあったので、今度に向けてしっかり反省して頑張りたいと思います。東京五輪には出場することも大変ですが、それを達成して、さらに金メダルに向かって頑張りたいです。
平野 世界選手権という大きな大会で、中国のトップ選手と試合をすることによって、自分との距離を感じることができたので、もっと早いスピードで成長して、追いつけるように頑張りたいと思いました。
伊藤 全勝で終われた大会でした。特に世界選手権で中国人選手に勝てたことは自信になりましたが、毎日やっても勝てるように実力をつけていきたいです。東京五輪には出場目指して頑張って、チームみんなで金メダル獲得を目指して頑張っていきたいです」
早田 今大会初めて出場させていただいたときに、今まで経験したことないくらいの緊張感だったり、団体戦ならではの雰囲気に飲み込まれそうになって、最初は自分らしいプレーができませんでしたが、それが五輪になると10倍、100倍くらいの緊張感になると思うので、それを今大会経験できたことは、すごく大きいですし、その緊張感を忘れずに日々の練習に取り組みたいです。中国のトップ選手にはまだ勝ったことがないので、追いついて勝っていけるように、そして五輪で金メダルを獲れるように頑張りたいです。
長﨑 試合に出場することはありませんでしたが、同じチームの一員として一緒に戦えたことで、世界を肌で感じることができましたし、今後の明確な目標ができました。東京五輪に向けて、一日一日を大切にしていきたいと思いました。

 

――統一チームコリアが結成されたことも改めて振り返ってください。
馬場監督 対戦がどうであろうと、自分たちの試合をすることが一番大事だということを話しました。
石川 「こんなことがあるんだ」と衝撃を受けて、正直動揺もしました。しかし、今こそチームワークが大事だと思いました。合宿からずっと練習を重ねてきて、私もみんなも自信があったと思います。内容も予想以上に苦しい展開なり、心が折れそうになったところで、みんなの声やベンチで立ち上がって応援してくれている姿を見て、「これは絶対にあきらめられない」という気持ちもありましたので、チームワークで勝てたと思います。相手が変わったとしても、自分たちは変わらずに3-0で勝つことができてよかったと思います。
平野 相手に勝つということは同じなので、相手がだれであろうと全力で勝つしかないと思いました。結果的に注目された試合で勝つことができてよかったです。
伊藤 ものすごくビックリはしましたが、「面白そうじゃん!」と思いました。強いチーム同士が合体して、出てくる選手もエース級の選手だったので、これは面白くなりそうと、早く試合がしたくてウクライナ戦をめちゃくちゃ頑張りました。
早田 ベンチも10人入ると聞いて、「こっちは2人しかいない」と思いましたが、スタッフの方も一緒に入ってくれて、絶対に応援で負けないと、ベンチで長﨑さんと「10人分の声だそうね」と応援できて、勝つことができてよかったです。

 

――影のMVPを選ぶとしたら誰を挙げますか。
石川 たくさんの方に支えていただいたので、絞るのは難しいのですが、毎日栄養士さんがおにぎりを作ってくださいました。私たちの好きな五目や梅、青じそなど、毎日違う味を試合の1時間前に持ってきてくださって、それを楽しみに試合前の練習を頑張っていました。表には出ませんが、陰でたくさん支えていただいて、私たちの力になりました。
平野 ケガをしないように毎日朝早く、夜遅く疲れた体を治療してくださったマッサーの大山さんです。次の試合に準備することができたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
伊藤 白ご飯が食べられたことは本当に大きな力になりました。日本人はご飯が大好きだなと改めて思いました。たくさんの方にサポートしていただいたおかげで、このようにメダルを獲れましたし、最後まで元気に過ごせました。
早田 事前合宿からずっと一緒に練習していただいたカットマンのスパーリングパートナーの選手(久野理世さん)です。ウクライナ戦やコリア戦の前に休みなく練習していただいて、私も事前合宿で練習していただいたので、本当に大変だっただろうなと感じています。それがあったからこその銀メダルだと思いますので、本当に感謝しています。おにぎりを食べれた幸せも感じました。
長﨑 私は特にフィジカルトレーニングコーチの淺井さんです。合宿から体のケアを指導してくださったり、空いている時間にはトレーニングの指導もしてくださいました。