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2019.01.19

#RESULTS

男子ダブルス優勝インタビュー 木造・張本

男子ダブルス優勝インタビュー
木造勇人・張本智和(愛工大・JOCエリートアカデミー)

 

――今のお気持ちをお聞かせください。
張本智和「最後は2-2のジュースとなり、何度もマッチポイントを握られ、自分たちはマッチポイントを取り切れず、『何回も負けそうだな』と思いましたが、最後は木造さんが思い切ってチキータをしてくれて、勝つことができました」
木造勇人「最後は技術面というよりは気持ちの面や運で最後の一本をとれたのではないかと思います。弱気になってしまうと絶対に負けてしまうので、最後は強気で思い切って自分から攻めるということを忘れずにプレーしました」
――終盤で相手がタイムアウトをとったとき、どんな話をされたのですか。
張本智和「相手がマッチポイントで落ち着いて考えてくると思いました。ロングサービスが来るかもしれないので、チキータで行きたいけど、そこを注意しながらとか、相手の戦術を読んで、ラリーにつなげようと話しました」
木造勇人「ロングサービスは、相手が決めることなので、いつ出してくるかわからないので、そこの駆け引きをうまくできたら勝てると思いました。そこで、ロングサービスを思い切って振ってくれた張本選手が心強かったです」
――お互いのよさとはなんでしょうか。
張本智和「今回、初めて全日本前に集中的に練習をしました。今までも練習をしていない中でも、いい結果は何回か出せていたので、ちゃんと練習をすれば優勝できる可能性はあると思っていました。木造さんはチキータやストップやフォアでのレシーブも上手く、ラリーでも簡単にミスをしないダブルスが上手い選手だと思います」
木造勇人「張本選手は、世界ランキング3位のトップ選手なので、自分がなんとか台に入れれば、あとは全部やってくれるだろうと、信用できるパートナーだと思います。
終盤は、張本選手が『自分を信じろ』とずっと言っていました。言葉には出しませんでしたが、ずっと『信じてるよ!』と思いながら試合をしていました」
――その話を受けて、張本選手はいかがですか。
張本智和「自分が決めるときに『信じて!』と言って、決めきれなかったのですが、最後は木造さんを信じて任せると言いました」
――全日本を優勝して、今後どのように戦っていきたいですか。
張本智和「目標が全日本の優勝とその先の世界選手権に出場することだったので、これで可能性が高くなったと思います。今後の目標は、世界選手権に出場して金メダルを獲ることです」
木造勇人「出られるかどうかはわかりませんが、世界選手権を目指すために、全日本に臨んだので、一つ段階は進めたのではないかと思います」
――終盤のレシーブで意見が割れたということでしたが、詳しく教えてください。
張本智和「僕は、最後のマッチポイントの場面で木造選手がストップをして、次に陣で決められるかなと考えていましたが、木造選手はチキータが今一番いけるといことでした。レシーブをするのは自分のことを一番わかっている木造選手なので、『なにをしてもしっかりと準備します』と話しました」
木造勇人「迷いながらレシーブしてはいけないと思っていたので、自分が決めたことを思い切ってチキータでいけたことが点数につながったと思います」
――2017年に樊振東・許昕ペアに2回勝っていますが、そのときの勝利と今回の勝利、喜びはどちらが大きいでしょうか。
張本智和「あの時もとても嬉しかったのですが、やはりどのペアに勝つというよりは、大会で優勝することが一番の目標だったので、この全日本にかける思いは強かったので、今回の優勝が一番うれしいです」
木造勇人「ドイツオープンでは決勝で2-1の10-7からまくられてしまった悔しい気持ちがあったから、ギリギリの場面でも壁を乗り越えられたのではないかと思います。今後、ワールドツアーや世界選手権のチャンスがあれば、この経験を活かしていい成績を残せるように頑張ります」
――張本選手にとっての木造選手、木造選手にとっての張本選手はどういった存在ですか試合中は、張本選手が肩を叩いて「行くぞ!」と言っているようなイメージですが。
張本選手「4歳離れていますが、ナショナルチーム(NT)では、一番親しくしていただいて、ご飯も一緒に食べることが多いです。自分の中では仲のいい先輩です。木造さんにとってはうるさい後輩だと思いますが、一番NTの中で信頼している仲のいい先輩です」
木造勇人「今言った通り、うるさい後輩ではありますが、卓球の成績はなにも言えないくらい、見習うことばかりです。試合中もいろいろなことを言ってくれますが、それをシングルスに活かすこともあって、勉強させていただいています」
――今まで、優勝した瞬間のパフォーマンスを楽しみにしているのですが、今回についてはいかがでしたか。
張本智和「実は昨夜から優勝した時のパフォーマンスは考えていました。自分が飛び乗るか、もし余裕があれば木造さんを持ち上げたいと思っていたのですが、実際には厳しい試合で考えられなかったので、とっさに抱き着きました」
――出来は点数をつけるなら何点ですか。
張本智和「理想は木造さんを持ち上げることだったので、次はもっと余裕のある試合をしたいです」
――木造さんは抱き着かれたときの気持ちは。
木造勇人「準決勝も勝って何をするのか、張本選手次第で対応しようと思っていました。しかし、力のあまりハイタッチがごちゃごちゃになってしまって、僕の右手に思い切りぶつかったのが、めちゃくちゃ痛かったです。そのあとも『大丈夫?大丈夫?』と心配されました。決勝では、余裕がなくて頭真っ白な状態で抱き着いていました」