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父が語る 石川佳純の小学校時代



平成18年の全日本で14歳ながらベスト4に入り、天才少女として話題を集めた石川佳純選手。その石川選手が今年念願の全日本優勝を達成した。
オランダ・ロッテルダムで開催された世界選手権において、優勝した丁寧(中国)に敗れたが、大会後に発表された世界ランクでは日本女子選手の中でトップとなり、来年のロンドン五輪の代表権を獲得した。
「オリンピックに出るのが目標だったので、嬉しい」(石川選手)。 
今回は、石川選手の小学校時代の話を父・公久さん(きみひさ)に伺った。

自宅の1階を卓球場に

石川選手の両親は、福岡大学出身。卒業後、母の久美さんは実業団(福岡日産自動車)で卓球を続けた後、結婚を機に卓球から離れる。
しかし、公久さんは、ニッタククラブ(福岡)に所属しながら、好きな卓球を続けた。

勤務地が山口に移ってからも、地元のクラブに入り、しばらく休んで久美さんも卓球を再開。その後、久美さんは山口県の国体選手として活躍する。

石川選手が両親の練習についていくようになったのは小学校1年生のとき。自分も卓球がしたい、ということではじめる。
自宅の1階を卓球場にして、クラブを立ち上げる。

石川選手が始めたころに考えたことは、「一回くらい全国大会でランク入ってくれたらいいなということでした」と公久さんは振り返るが、思いとはまったく違い、全日本ホープス優勝を皮切りに、全中2連覇、インターハイ3連覇、全日本ジュニア4連覇、全日本女子複、混合複、そして女子シングルス優勝と日本のタイトルをさらい、更には世界ジュニア団体、ジュニアチャレンジファイナル、プロツアーなど国内外の優勝は数知れない。

この中で、思い出の優勝は、と尋ねると、意外にも小学校6年生の時の全日本選手権ホープスの部、ということであった。
「初めての全国優勝ということもありますが、あの時は、会場の練習場で、1日目も2日目も3日目も、とにかくずっと練習をしていました。体育館を閉めますよ、と言われるまでずっとやっていました。ですから、優勝した時は嬉しかったです。思い出の優勝です」と当時を懐かしむように語ってくれた。

  ※ ※ ※ 

石川選手が強くなるのに協力してくれた人がたくさんいるが、そのなかでも、大嶋先生をはじめとしたミキハウスの方々、山口県の岡本勝則先生は特別だと言う。
「中学から大阪に行き、大嶋先生をはじめとするミキハウスのスタッフの方のおかげで凄く強くなったと思います。また、小学校時代、佳純は練習よりも試合が好きでした。本人もよく言ってますが、岡本先生(当時、島地中)が主催されていた中学生の練習会に参加させていただけたことが良かったと思います。
小学校時代は競った場面でとにかく攻撃していて、それが不思議と得点に繋がっているイメージがありましたね」
と当時を振り返った。

練習メニューは当時と同じ

山口ジュニアの練習は、石川選手が卓球をはじめた頃とメニューは変わっていない。
「クラブをはじめたときに、大学の先輩である石田卓球場(福岡)を訪問しました。そのとき受けたアドバイスが、大学で学んだことをそのままやればいいんだよということでした」

小さい頃の石川選手は、回転をかける練習や足を出す練習などが主で、動きのある練習を多く行っていた。
小さい頃に卓球以外にやっていたことは何ですか、と伺うと、「ピアノ、バレエ、水泳をやっていました。今、思うと全身を使う水泳が効果があったのかもしれません。また、早い時期にも立つことができたし、自転車や一輪車も練習すればすぐ乗れるようになりました。それ以外は普通だと思います。強いていえば負けん気が強かったと思います。泣きながらでも向かってきました。
それから、瞬発力と勘がよかったと思います。逆を突かれることが少なかったし、左右に振られても、しっかり返球していました」


  ※ ※ ※ 

石川選手は、今年高校を卒業し社会人となった。現在は、プロツアーなど国際大会出場することが多く、日本にいることが少ない。
しかし、公久さんには電話連絡をしてくる。
「オランダで行われた世界選手権の時も常に連絡がありました。インターネットで試合を見ていましたが、ドキドキの連続でした。小さい頃からの目標であったオリンピックの出場も決りましたので、これからはオリンピックに向けて頑張って欲しいです」

親の協力に感謝

現在の山口ジュニアは、子どもが中心で15名在籍している。
健康のため、友達と一緒に楽しむため、県内、全国で勝つためなど子どもたちの目標は様々。
そのために教室はレベル別に分かれ、個人個人の目標に合わせて指導をしている。

平日の昼は、近くの山口大学に通うOGの坂本明日香さんがレディースの指導を行い、ジュニア教室は毎日19時〜21時まで行われている。
公久さんは、仕事の関係で、夜のジュニア教室にしか参加できないが、子どもたちが目に見えてどんどんと強くなるのが嬉しい、と話してくれた。

「技術的なことも大切ですが、やはり人間力も大事だと思います。  挨拶ができたり、感謝の気持ちがなかったら、卓球が強くても意味がないと思います。うちで女房に怒られて精神的に強くなった卒業生はいっぱいいますよ」(公久)
卒業後も全国で活躍する選手が多い。
秘訣は、と尋ねると、「特別な練習はしていません。練習時間を一生懸命頑張る選手たちのおかげもあるのですが、やはりそれを支えてくれる親の協力があるからだと思います。遠征の時や、普段の練習の送り迎えなど、みなさんの理解があるからです」と話してくれた。

取材当日、練習に来ていた子どもたちに目標の選手は、と尋ねると、全員が石川佳純選手と答えてくれた。
石川選手が帰省した時は教室に参加をしてくれる、という。

そういう後輩を思う気持ちが、ここ一番で強さを発揮するのではないかと思う。

詳細は「ニッタクニュース7月号」に掲載しています

マンスリースペシャルは NITTAKU NEWS より抜粋してウェブ上で公開しています。