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王 励勤(中国・ニッタク契約選手) |
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王者の矜恃(きょうじ)と だからこその懊悩(おうのう)と
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人はそれを「筋書きのないドラマ」と呼ぶ。誰も予想しえないような、思いもよらぬ展開が繰り広げられていく。 スポーツの醍醐味の一端が、そこには存在する。 世界ナンバーワンのプレーヤーを決定するその試合で、勝負の行方はほぼ決していた....はずだった。 だが、唯ひとり、「世紀の大逆転」のシナリオを丹念に練り上げていた男がいた。 その「脚本家」こそが、3度目の世界チャンピオンに輝いた王励勤(中国)である。 今年の世界選手権ザグレブ大会。 男子シングルス決勝は、馬琳と王の同士討ちとなった。 3度目の決勝進出で初の王座獲得を目指す馬は、闘志を剥き出しにしてフル充電で搭載されたエンジンを前半からトップギアに入れていた。 そして、ことごとく好プレーを制していく。 セットカウントは3-1、念願成就まであと1セットと迫っていた。 第5セットも充実した戦いぶりは一糸乱れることなく、7-1と大量リード。 新王者誕生は時間の問題とさえ思われた。「世界王座」は、手を伸ばせば届く位置にあったのだから。 ![]() 一方このとき、王励勤は一体何を思っていたのか。揺れていたのだろうか、それともあきらめの境地にあったのか。その心の中を覗くべく、荻村杯ジャパンオープンで来日中の王に話を聞くことができた。 彼は、自身の「奇跡」を信じて疑わなかった、そう静かな口調で語り始めたのだった。 「結果を考えると集中できなくなるので、とにかく1本1本の経過を大事にしようと、そのことだけを考え、気持ちを切り替えることができたのです」 そこには、01年の大阪大会、そして前回の上海と、2回の世界王座を獲得したチャンピオンとしての威風堂々とした矜持が感じられる。王はこう続ける。 「もしあの場面であきらめてしまったら、何のために練習してきたのかわからなくなってしまう。最後の1本を取られない限りは、チャンスは必ずあるものです。逆にまだ4本の余裕がある、あの場面で私はそう考えていたのです」 |
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撮影=安部俊太郎 取材=青柳雄介
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(詳細は「ニッタクニュース8月号」に掲載)
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