マンスリースペシャル
シリーズ 素顔
福原 愛

進化し続ける向こう側に

ベスト16に終わった今年1月の全日本選手権大会のあと、福原は大幅なモデルチェンジに踏み切った。
ラケットとラバーを替えたのである。
ともに、これまでのものより弾きがよくスピードを重視したものだ。
より攻撃的なスタイルを目指してのことである。

福原の父・武彦氏がこう解説する。
「木の感触が手に伝わってくるような、球離れがいいラケットに変更しました。ラバーも、スピードを重視しました」

球速を生かしたプレーの変化は、結果としてすぐにあらわれた。
2月の「ジャパン・トップ12」で、それまでにないようなアグレッシブなプレーを披露し、全日本で苦杯を喫した日本生命の藤井寛子に雪辱。
「愛ちゃんは、全日本のときよりも、かなりスピードがありました。完敗です」
藤井はそう言って、福原の短期間での成長を認めた。
その後、決勝まで進み、全日本チャンプの平野早矢香(ミキハウス)にもマッチポイントを握るなど、あと一歩のところまで肉迫したのだった。

試合後、福原自身は笑顔でこう話し、確実な成果を感じとっている様子だった。
「正直、不安はありましたが、ここまでやれたので自信になりました。まだミスもありますが、思い切ってやっていきたい」

そして、4月15日まで行なわれたプロツアー「ブラジルオープン」では平野を倒し、自身初となる決勝へ進出。
惜しくも優勝は逃したものの準優勝となり、福原は着実に変貌を遂げている様子がうかがえる。

もうひとつ、大きな変化がある。フォームの改造である。
「自分の力で打ち抜いていくような、積極的かつ攻撃的なスタイルに近づいていて、いい方向に向かっていると思います。まだ細かい修正点はありますが、いまのところ順調にきていると思います」
父・武彦氏は現段階での調整ぶりをこう分析した。
もちろん、課題がないわけではない。
しかし、それがある限り、成長が止まることはない。


こうした進化は、グローバルな視点に立ち、世界基準のプレーを可能たらしめるために必要な決断だったのだ。

14歳で世界ベスト8に入った天才の物語は成熟のときを迎え、いよいよ目が離せなくなってきた。
世界選手権へ、そして北京五輪に向けて...

撮影=安部俊太郎 取材=青柳雄介
(詳細は「ニッタクニュース6月号」に掲載)

マンスリースペシャルは NITTAKU NEWS より抜粋してウェブ上で公開しています。
↑この頁の上へ戻る