マンスリースペシャル
としまえん・ニッタク
楊 光炎
氏(元中国JNT監督)講習会

解説/近藤欽司先生(NT女子監督)


中国ジュニアナショナルチームの元監督・楊光炎氏による講習会が、3月22日、23日の2日間、東京のとしまえんにある「スパット!!ピンポン」で開催された。

楊氏はこれまで、中国卓球界の数多くのアスリートを発掘・育成し、その優れた指導力には定評がある。また教え子には、中国ナショナルチームの総監督だった蔡振華氏をはじめ、9名の世界チャンピオンがいる。

中国卓球の真髄に迫るこの講習会の模様を、近藤欽司先生(女子ナショナルチーム監督)に前後編2回にわたって解説していただいた。


楊光炎先生は、中国卓球界で非常に優れた指導者としての呼び声が高く、私はとても尊敬している方です。以前から、楊先生を日本に招いて指導法を学んだらどうかと考えていました。

日本と中国では国の体制が異なるため、難しい面もあります。
しかし、卓球の基本的な考え方や技術的な面、練習内容など、学ぶべき点は多々あると思います。
中国での卓球人気は非常に高く、だからこそその分、責任も重いものがあります。国を挙げて組織がしっかりし、メンツもあり、負けられないという意識で常にやっているのです。従って、新しいことをどんどん取り入れ、試みている。そうした中国の考え方は、日本にいるとなかなかわからないものです。

今回の講習会を通して、そうした中国卓球の基本的な考え方を学んでいただければ、と思います。
(以下は、楊先生の講習会と講演をまとめたものです)

1.子どもの指導で大切なこと

どうしても飽きっぽいのが子ども。同じ練習を長い時間行うと集中力が続きません。すると、競争心も薄れ、また、勝ちたいという気持ちもなくなってきます。
従って、練習医の内容を工夫することによって、飽きさせないことが大事です。
日本の練習は毎日同じメニューをこなし、ただ「がんばれ!」ということが多いようです。

2.卓球の心理的要素

まず、選手たちに自信を持たせることが何より大切です。
「よく考えて一生懸命に練習すれば、必ず強くなれる。きっと勝てるようになれる」といった励ましを、時にはやさしく、時には厳しくする必要があります。

また、チームの内外を問わず、常にライバルを意識させることは、選手育成の上で重要なポイントとなります。
ただ練習するのではなく、競い合わせるのです。
それによって、自己表現がなされていきます。自分の個性とか特徴、独自の技などが磨かれていくのです。

卓球には、自己コントロールする能力が要求されます。
プレッシャーへの対応といってもいかもしれません。
練習には強いが、試合になるとそれを発揮できないという選手が日本には多いように思います。
それは、練習中のプレッシャーが少なく、考えた練習が足りないからではないでしょうか。

練習よりも試合のほうが、はるかに強いプレッシャーがかかります。
そこで普段の練習において、プレッシャーをかけてそれを意識し、それに押しつぶされないような練習を心がけなければなりません。
そうしないと実践的にならず、練習のための練習になり、ただ時間を消費するに過ぎなくなってしまいます。

では、効果的な練習とはいったいどんなものでしょう。
まず、基本技術の習得、そして高い意思、自分の特徴を反省させる実践的なもの。
それらは、単に時間の長さには比例しません。
日本の練習は時間が長い割に、内容に問題があります。
時間×目的×内容×要求水準。これが効果的でよい練習です。
要求水準とは、指導者が何を求めた練習なのか、ということです。
そして、後述しますが、1人が練習で1人が練習相手というのではなく、2人が競い合うような練習、という考え方が重要です。
(詳細はニッタクニュース2006年6月号に掲載)

マンスリースペシャルは NITTAKU NEWS より抜粋してウェブ上で公開しています。
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