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鋭いスイングで相手の強打の威力を吸収し、ネットすれすれに高速で回転するボールが飛んでいく。何本も粘り打ちあぐねた相手がつなぐと、怒涛のごとく反撃が炸裂する。攻守が表裏一体となったカットマンの試合は、見ている者の心を大きく揺さぶってくる。
いま、日本を代表するカットマンといえば、ともにサンリツの脇ノ谷直子と藤田由希だ。そんなふたりは、どんな思いで大舞台に臨んでいるのだろうか。
2004年世界選手権ドーハ大会(団体戦)の同メダリスト・脇ノ谷は、一昨年の全日本でランク決定戦で敗れ、昨年もランキングを逃している。これについて、
「ここ2回ほどの全日本は、少しナーバスになっていましたね。相手が強かったこともありますが、自分の力を発揮できずに悔いは残りました。でも、そうしたことがあったからこそ、今度の全日本はいい意味で楽しむようにしたいですね」 と話す。
「日本代表」という大きなゼッケンを背負い、精神的に追われる立場になっていたのだろう。向かっていけず、弱気になっていたかもしれない。しかし、そんな経験を乗り越えて、脇ノ谷は今年の全日本に臨んでいく。
11月初旬、沖縄で行なわれた全日本社会人で脇ノ谷は飛躍を予感させるプレーを披露した。ベスト8決定戦で敗れたものの、相手は日本のエース梅村礼(文化シャッター)だった。
第1、第3セットを接戦の末に奪い、2‐1とリード。
4セット目はジュースの大接戦で奪われ、最終の第5セットも8本とあと一歩まで迫ったのだ。
「練習もいま、とても充実しています。いつも全日本は、ここまで勝ち進むと誰とあたって...とか考えすぎちゃうんですが、1戦1戦がすべてで、結果的に勝ち上がっていったというのが一番いいですね。だから、あえて目標は立ててないんです」(脇ノ谷)
マイペースを強調する脇ノ谷はまた、こうも付け加える。
「全日本といえども普段どおりにして、日常の流れの中で会場に足を運んで、みたいにしたいです。自信を持って挑んでいけば、結果はあとからついてくると思っています」
自分の力を発揮する一番の方法、それはいつもと同じようにすることである、そう脇ノ谷は自らの経験で悟ったのだろう。
一方の藤田もまた、全日本だからといって特別に気負った様子は見受けられない。
「1戦1戦、自分で納得できる試合をすることをいつも目標にしています。いま練習していることが試合で出せれば、それが自然と勝利につながると思います」
淡々と、しかし自信に満ちた口調でこう語った藤田。
では、そのいま練習していることとはいったいどんなものなのか?
「それは企業秘密です(笑)。プレーで見てください」(藤田)
脇ノ谷と藤田。全日本でどんな戦いをみせてくれるのか、楽しみになってきた。
2選手とも、やるべきこと、やらなければいけないことが明確になっており、それを実行することによって自ずから結果が生まれてくるものだ、と考えているようである。
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